歩み
冬休みが開けたら、お前と真正面から向き合う。逃げるか受け止めるかはお前の自由だ。
もし逃げたら、俺はどこまでも追いかける。
「おし!俺は優の支えになる。高校での初めての友達だもんな。簡単に友達やめたり出来ねぇよ」
「あたし歩のそういうところ好きだよ」
やめてよ、照れるから。沙紀を求めてしまう。
俺はカップを置いて沙紀の唇にキスを落とした。
ねぇ、知ってた?
静かに降り始める、白い雪の存在に。
雪は物に触れると消えてしまうけど、俺たちの愛は相手に触れても消えたりはしない。
だから何度も沙紀を求めるんだよ。
優は今年の冬はどうでしたか?
雪のように消えてなくなってしまったものはありますか?
静かに冬の色に変わっていく。
寒い、寒い、冬へと。
そして冬休みが明けた。