歩み
なぁ、お前はこの日、なにかを感じましたか?
まさかあんな出逢い方をするなんて思ってもいなかった。
新しいクラスへと向かう俺と隼人。
行く途中、何度か話しかけられた。
それは全て女。
金髪が目立つからだろうか?
見つけやすいからかな?
「歩と同じクラスじゃなくてショックだよ」
「クラスまで会いに行くからね!」などという言葉を沢山もらったが、俺はなんとも思っていない。
そう?だからなに?
この言葉で片付けられてしまうのだ。
俺はそう言った女に微笑んで、クラスへと足を運ぶ。
朝からイライラすることばかりだ。
怒りを鎮めながら、足早に目的地に向かう。
その数分後、俺はお前と初めて出逢ったんだ。
「あっあった!D組!」
いつの間にか元気になっている隼人。
あるに決まってんだろ。
教室に入ろうとしたが、入口がある二人の人物によって塞がれていた。
後ろ姿では誰か分からない。
一人はショートカットの女。
もう一つは、セーラー服の襟を越すくらい長い髪の毛の女。
その髪の毛は、とても艶やかで、思わず触りたくなるほどだ。
この二人、かなり邪魔くさい。
俺たちの存在に気づけよ。
「おい、お前ら邪魔。
そこ退けよ」
背中に言葉をぶつけて、反応をするか見てみる。
すると髪の毛が魅力的な女がゆっくりと振り返る。
その瞬間、体に電流が走った気がした。
「ここはあんただけの道じゃないけど?なにか勘違いしてない?」
これがお前との出逢い。