歩み
好きという感情はとても大切なことだと思うんだ。
些細なことでも幸せだと感じたりするよね?
例えば軽く触れた手と手とか、隣にいる安心感とか。
それは『好き』だから嬉しくなったり幸せになったりするんだよ。
俺はそう思っている。
沖縄でのグループは、
俺と沙紀と優と広瀬になった。
広瀬とはこの日初めて喋ったけれど、悪い奴じゃなかった。
優が緊張するのも分かるよ。
「歩~俺バイトあるから帰る~」
優は授業が終わると俺たちに別れを言って教室から出て行った。
俺は優に手を振り反応をする。
なんか今の優、いつもと雰囲気が違う。
そう感じたのは俺だけかな?
「歩、ちょっといいか?」
すると後ろからある人の声が聞こえてきた。
ゆっくり後ろを振り返るとそこには曇った表情を見せる、安里がいた。
「どうかしたか?」
首を傾けて、安里の顔を見る。
安里の瞳が寂しさを訴えていた…。