歩み
けどアイツは司の彼女。よりによって司の彼女。
俺は司が苦手。
周りがちやほやして、調子に乗っている感じがする。
司の存在が許せない俺がいた。
窓から空を見ると、俺の心情とは裏腹の空がそこにはあった。
青い空が憎い。
楽しい?
俺を嘲笑って。
…暇すぎる。
みんな体育館に行っているからだろうか?
でもまだ始まらないだろう。
9時から始まるって言っていたからな。
今は5分前だ。
「しょうがないか…」
行かないわけにはいかないか。
始まりの儀式なのだから、今日は行くことにしよう。
立ち上がり、体育館へ向かう。
階段を下りて、右を曲がればあとは真っ直ぐ行くだけ。
頭で描いた道を順調に歩いていく。
その時、前方にアイツの姿が見えた。
「司?」
それは、司。
生徒会長がこんな場所にいていいのかよ?
生徒の代表が時間守らなくていいんですか?
鼻で笑い、司の方に近づいていく。
次第に影が見え始めて、その影は司の影だけではなかった。
もう一人いた。