歩み


あの日のことが頭の中から離れない。
ショックが大きかっただろうか…。




…俺たちは予定通りの時間に飛行機に乗り、沖縄へと旅立って行った。
飛行中、沙紀と優と広瀬と楽しく会話をしていたら、数時間などすぐに過ぎていった。


そして、予定時間より少し早めに目的地に到着。
そう、沖縄に。


飛行機から降りると、涼しい風が俺たちを迎えてくれたのだ。
歓迎されているようだね、よかった。


だから叫んでしまったよ。



「沖縄ー!!」




背筋を伸ばして、全身で沖縄を感じる。
初めてみる景色。
地元なんかより全然いい。
空気は濁ってなどいないし、無駄に高いビルすらない。
どこまでも続く道が、俺の人生のように感じた。




…けれど楽しい時間は過ぎるのが早い。
もうあっという間に夕方だ。
地平線に夕日が沈んでいく。
なんて鮮やかなオレンジ色なのだろう。


綺麗だ。
まるで果物のオレンジのよう。


疲れた体を引きずりながらホテルに向かう。
部屋は優との二人だ。




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