歩み


小林に告白をされたことを聞いて、小林は自分に素直になったのだと思った。

そして広瀬が泣いたと聞いて、広瀬も小林と同じように素直になったのだと思った。


あとは優だけだ。
素直になるのは。



優は一人で解決をしようとしていたのだ。
けれどそれが絡み合い、笑顔を無くした。


正直、何と答えていいのか分からない。
優を責めることも出来ない。


一つだけ分かっていること。
それは前に進むということだ。



優にはあるか?
次に進む勇気。




「……何て言ったらいいかわかんねぇ…」



力が抜けてしまった。
だから言葉を探すことができないのだ。



「…だよな…歩ごめんな…俺、ためすぎたみたいだ」




分かってるじゃないか。分かっているなら何故行動にしない?
俺はそんなにも頼りにならないか?


「優…お前はさ…誰が大事がはっきりしたんだろ?」



「…うん」



「じゃあ言いに行けよ」



俺は優を見失わないように真っ直ぐと見つめる。少し怯えた表現をする優。



答えは聞かないから行動で表せ。



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