歩み



小林の成績はいつも一番だった。
これはずっと変わらないこと。
何かを目指しているからこそ結果が表れているのだろう。


でも何を目指しているのかな?
気になって仕方がない。


「小林はもう決まってんの?」



気になった俺は小林に聞いてみる。
小林はにっこりと笑い、割り箸をぱちんと割った。


「え~…」



おい、誤魔化すなよ。
俺は気になってるんだから。
ところで優は知っているのだろうか?
小林の夢を。



そして小林は俺の質問にこう答えたのだ。


「…内緒」



「何だよそれ~!隠すなよ!」



「まだ教えない!早く食べないと授業始まるよ~」



「一番お前が遅いから」



小林は何になりたいの?総理大臣と言わないでね。
反応に困るから。



けど小林の夢は本当に可愛い夢だった。
旅立つ前に教えてくれた、あの夢は…小林は叶えられたかな?


それを思うと胸が苦しくなるよ。



別れは本当に突然すぎた。




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