歩み
「意外って何だ!俺、天才なの」
だってここ最近の成績が上がってきているから。これっていいことだろ?
「へぇ~…」
「反応薄っ」
けど優はこれだけしか言ってくれなかった。
でもこれはこれで優の愛情なのだろう。
俺はそう信じているよ。
俺たちは夢に向かって走っていく。
この日の夜、俺は信じられないことを沙紀から聞いた。
それは小林のこと。
電話越しに聞こえてくる沙紀の声がかなり焦っていて、俺は驚いたのを覚えている。
その内容は本当に突然だった。
それは、一週間後に小林は留学をするために海外へ行くということ。
突然すぎるだろ?
何で今なんだよって言いたくなるだろ?
それを聞いた俺はしばらく何も考えられなかった。
あと一週間で小林がいなくなる。
優はそれを受け入れたのだろうか。
残り時間はもうわずかしか残っていない。
誰か、時間を止めてください…。
ずっと一緒だと思っていた。
これからもずっと…。
小林、お前は今どこにいる?