歩み
小林、聞こえたか?
優の精一杯の願いを。
優が運命の人と再び出逢える日まで、優の進むべき道を照らしてくれないか?
頼むから、頼むよ。
空の上から優を、
見守っていてくれ…。
さようなら、小林。
さようなら、大切な親友…。
小林は蒼い空の楽園へ、俺たちより早く旅立っていった…。
…小林のいない生活が当たり前のようになっていく。
季節が秋へと変わり、そして冬へと変わる。
卒業という言葉が俺たちに悲しさを与えた。
俺と沙紀は志望校に合格をした。
決まったのは年が明けてからだった。
毎日のように勉強をし、見事掴み取った志望校。
今までで一番苦しかった数ヶ月だった。
一方優は、まだ自分に挑戦をし続けていた。
推薦でもいけたはずの大学を自分の実力で試したいと言い、推薦を蹴ったらしい。
そんな一生懸命な優の姿を見ていて、応援せざるおえない。
頑張れよ、優。
優をここまで頑張らせるのは、きっと小林がいるからだろう。
心の中に…。