歩み



「僕はこの高校生活で初めて恋というものを知りました」




王子様とお姫様。
おとぎ話の中では永遠に結ばれるとなるけれど、現実はそんな甘くなかった。
優と小林。
二人はいつもすれ違いばかりをしていたよな。



「人を好きになり、僕の中の何かが変わりました。」




それは、嫉妬、独占欲、愛しさ…。




「人を愛することだけで、こんなにも人は変わるということを学びました。」




弱さ、強さ、成長、努力。




「僕は愛する人を亡くしました。」




突然奪われた太陽。
見失う道しるべ。



「みなさんは、今…人を愛していますか?」





俺は愛する人がいます。俺の太陽の存在。




「愛しているのなら、とことん愛してください。なくさないように、愛してください…。」





俺は永遠に君を愛そう。ずっと愛している。
だから離れないで。




君をとことん愛してみせるから─…。









俺は優の答辞を聞いて、泣かなかった。
優が笑うように、笑顔になったんだ。




小林…、優の笑顔はまだ咲き続けているよ…。




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