歩み

背中に伝わってくる熱。俺の心も燃やしていく。


司は最後に俺を睨み付けて、背中を向けて屋上から去って行った。
その背中を蹴りたかったけど大人げないと思い、感情を抑える。


偉いだろ？俺。


「お前はもう知ってるんだろ？俺たちの運命…」


ふと空を見上げると、悲しそうに輝く月がいた。暗くなった空によく映える黄色。
今日は半月だ。
半分だけ浮かぶ月の片割れはどこにあるのだろう。


二つが合わさらないと、満月にはならないのに。

そんな悲しそうな顔するなよ。


俺と同じ顔するなよ。

悲しいのは俺だけでいいだろ？
だからお前は笑ってくれ。


まるで俺のこれからの未来を表しているように思えた。


そんなの嫌だ。
変えたい、変わるんだ。


そう思ったのはただの思い込みだったのかな…。


この時、本当にここから飛び降りていたらどうなっていただろう。
痛いかな？
苦しいかな？


このあとの出来事がそれくらいの衝撃的な出来事だったんだ。