歩み
先生の前でそんなこと言うなよ。怪しまれるだろ?
カンニングなんかしていないから、怪しまれることはないのだけど焦ってしまう俺。
俺は先生に笑顔を見せて、自分の席へと戻っていった。
「先生の前であんなこと言うなっつの!!」
隼人の胸ぐらを掴み、不満をぶつける。
「悪い悪い!けどまじでびっくりした!!」
当たり前だろ?
未だに俺も驚いてるよ。
「沙紀ー!これ見て!」
俺は自分の席に座り、沙紀の名前を呼ぶ。
沙紀は俺の声に反応をし、俺の方を向いた。
沙紀とは隣同士。
この前、席替えが行われ、俺はグラウンド側の窓際の一番後ろの席になった。
隣は沙紀で、これも運命ではないのか?と密かに思っていた。
それから沙紀とはよく話すようになったのだが、最近沙紀の様子が変なんだ。
まるで俺を避けているような…。
先週とかはそんなことも無かったのに。
今では俺が話しかけない限り、沙紀は俺の方を向いてくれない。
やっぱりあのキスが原因?