狼の取扱い説明書
「キャー、由乃。クラス同じだよ!!」
「え?嘘!!ホントに?」
やった!!里穂ちゃんと同じクラスで。実は結構心配してたから。
新しく友達なんてなかなか出来ない気がするし。ほら、私っていざって時に勇気がでないんだよね…。
「1ーCだって」
里穂ちゃんがそう言うと上から声が降ってきた。
「君たち~、1ーCなん?俺らと一緒なんだね~」
だ、誰?
ちらっと里穂ちゃんを見ると里穂ちゃんも困惑してるように首を傾げていた。
「あ、俺は神谷 叶夜(カミヤ キョウヤ)。よろしくな」
「ほんで、俺は黒木 斗真(クロキ トウマ)でっす!!」
はぁ…。
…で、私はどうすればいいの?
「君たちの名前も教えて~」
あ、そっか。
一応聞いたし、名乗った方がいいよね。
里穂ちゃんもそう思ったみたい。
「私は、御園里穂。よろしく」
「えっと…。わ、私は小山由乃…です」
ふぅ…。知らない人と喋るのって緊張するよね。