夫婦の始まりは一夜の過ちから。
□Change
「おめでとう〜」
「ありがとうございます」
部長の隣に立って皆のおめでとうに応える先輩。
先輩は私よりも3年先輩で入社したばかりの頃はよく指導してもらっていた。
何かあればアシストしてくれて、何かあれば一緒になって怒ってくれて、そんな先輩が今月末で寿退社する事が決まった。
「菖蒲先輩も頑張ったねー。でもこれから大変そう」
「えっ?」
「夏芽ってまだ菖蒲先輩の結婚相手の話し聞いてないの?」
「う、うん。何も知らなかったけど訳あり?」
「聞いたはなしだと…」
キョロキョロしながらことみは辺りを確認し、私の耳元に口を寄せた。
「嘘…」
「それが嘘じゃないんだって。だから一部では反感すごいらしーよ」