夫婦の始まりは一夜の過ちから。
「それで言いたい事って?」
「あー、うん」
「その前に聞くけどそれって夏芽にとって悪い内容…、なんだよね」
バレてたか。
会いたいの言葉だけで私が寛子に良くないことを相談したいって事。
「うん。実はね、私にお見合い話がきて」
「へぇ〜お見合い?」
「それで…。その相手が久だったんだ」
‘久’という言葉を私が口にした瞬間。
穏やかだった寛子の顔が一気に強張っていくのが見ていて分かった。
「どういう事?」
「私もよく分からない。けど仕事中に実家から電話かかってきて…」
それから私は寛子に久のお母さんとした電話内容を伝えた。
私がなにかいう度に寛子の眉間のシワが深く深くなっていき仕舞いには――