夫婦の始まりは一夜の過ちから。



だから久のお母さんからお見合い話を聞いた時は内心嬉しいと思ったような気がする。


別れ方はどうあれ私と久の関係は両親公認の中だったから余計に。





「本当に今彼氏いないの?」

「うん」

「じゃ、好きな人は?」





好きな人…





「い、いないよ?」

「ははーん。夏芽好きな人出来たでしょ」

「まさかまさか」

「だったら今頭に浮かんだ人は誰よ?好きな人いないのって聞いた時に夏芽が顔色かわったの見逃してないからね」





どうして寛子は私の頭の中まで分かっちゃうんだろう。


確かに好きな人は?って聞かれた時にある人が頭に浮かんできた。


でもそれは…!


好きだからって理由じゃない。


――多分だけど。



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