夫婦の始まりは一夜の過ちから。
「まずは自立してて」
「うん」
「すっごく優しくしてくれるのに時には、強引に私をちゃんと引っ張ってくれて」
それからなんだろう…
「あっ。カラオケに行って私の歌声聞いてもちっとも悪口言わなくて」
「確かに夏芽はカラオケに行くと人が変わっちゃうよね〜」
「それは無意識だから仕方ないよ。それでもってお世辞でもいいからたまには私を褒めてくれて」
そうそう。
私の事をちゃん付けで呼んだりしてくれて、元カレに対してもちょっと嫌だなぁって言ったりして。
でも、私が怒ると嫌な顔一つせず責任を取るよなんて言い出しちゃって。
「―…それで子犬みたいな人がタイプかもしれない」
そうタイプの人を言い終わった後にハッとして気付く。