夫婦の始まりは一夜の過ちから。
アイドルとカラオケに行ってから会うどころか連絡すら取っていない。
折角自分自身の気持ちに少しは気付けたというのに…
「あっ」
公園近くに人集りを見つけ思わず言葉が溢れ、この向こうにアイドルが居るんだと思うと緊張してくる。
「あっち空いてる!」
「待って」
人混みを避けるように走ることみと鴨島さんに着いていくと…
「――っ」
テントのような下で椅子に座るアイドルの姿が見えた。
何か本のような物を見てるみたいで顔はハッキリとは見えないけど、それでも私の心はドキドキと鳴り響いてる。
その胸に手を当ててアイドルだけを真っ直ぐ見つめた。
そして確信した。
私は自分で思ってるよりも――