夫婦の始まりは一夜の過ちから。
『まあ、理由はいいや。でもさ夏芽ちゃんに見られてると思うと興奮するんだよね』
「興奮…?」
『そ。だってあんなに熱い視線を俺に送ってきて、それに興奮しない訳がないでしょ』
私にはその意味が――、っていうかアイドルに熱い視線を送っていたんだ!?
アイドルを見ていた事には違いないけど…
『しかも夏芽ちゃん顔真っ赤にしてたもんね〜?』
「してない…」
『またまたぁ。夏芽ちゃんのそんな顔見るとあの日を思い出すんだけど、おれ』
あの日って――
『あの時も身体全体を火照らして、目に涙も浮かべちゃって』
「ちょ…」
『だから余計に加減出来なかったってのもあるんだよ。今更だけどあの時はごめんね?夏芽ちゃん初めてだったのに滅茶苦茶にして』