夫婦の始まりは一夜の過ちから。
□Relationship
「夏芽ちゃん」
「なに」
「もしかしてまだ怒ってるの?見られちゃった事」
「怒ってる訳じゃ…」
まだ怒ってるじゃん?とアイドルが私の眉間をビシッと指差した。
「確かにビックリしたけど」
「そんな感じは全くしなかったけど?」
「え〜、バレてた?俺の所為なのに俺だけビックリしないのは変かと思って」
「アイドルだけの所為じゃなくて、気付かなかった私も悪いから」
頭を抱え込むようにアイドルの部屋のソファーに座る。
あれからエレベーターでキスをしていた私達は、それはもう蕩けちゃうような情熱的なキスを受けていて。
そんな真っ最中に――
ウィーンとエレベーターの扉が開き、それに気付き勢いよくバッとはなれた時は時すでに遅し。