不器用なぼくら
みお「・・・え・・・」



廉「まぁ確かに持ってきたのにそれはないでしょって思ったけど」



みお「はい・・・ごもっともです・・・」



廉「それに違うでしょ」



みお「・・・?あの・・・何が」














廉「“ごめん”じゃなくて“ありがとう”でしょ」













あ そうか・・・



“ごめんなさい”の前にこの気持ちが大事だった



みお「あ、ありがとうございます・・・」



廉「ん。いいよ」



すると上中さんは私の頭をぐじゃぐじゃにした



みお「ちょっ!ちょっと!何するんですか!」



廉「次はないからねー」



みお「ふ、ふん!」



廉「ふんって・・・ガキだね田中さんは」



みお「失礼な!私もう22歳です!」



廉「うわ。同い年かよ」



みお「え。何!?同い年!?じゃ敬語じゃなくてよかったじゃん!」



廉「バカ。新人は先輩に敬語を使え」



みお「アナタは別ですー!」



廉「俺アナタっていう名前じゃありませーん」










何か ちょっとだけ ほんのちょっとだけ



上中さんに近づけた気がする



他の人と何かが違う様な気がして



それに加えて私だけ差別するあの態度とかが



ムカついて仕方がなかったけど



それもどうやらお互い様だったみたい







私・・・少しは素直になれたかな







清水さんに明日お礼を言おう














もちろん“ありがとう”をはじめに・・・ね
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