不器用なぼくら
太郎「よし。アレいこ」



みお「へ?」



清水さんが指さしてるのは



小さい子供が乗りそうなうさぎのジェットコースター



乗ってる人・・・ほとんど親子なんだけど



太郎「いくべ」



みお「あ、ちょっと!」



ぐんぐん進んでいく清水さんを追いかける



何て自分勝手な人なんだ!



流れで私はコースターのうさぎに乗った



みお「・・・なんだか」



太郎「せまいねぇ」



みお「いや!確かに狭いんですけど!」



は、恥ずかしい



周りの人がすごい見てるよ!



それに!清水さんとこんな至近距離!



ドキドキしているとコースターは動き出した



太郎「わぁーー!」



みお「ぎゃぁー!!!!!!!!」



太郎「すげぇおもしれー!」



くしゃくしゃな顔して笑う清水さん



今までに聞いたことないくらい大きな声で笑ってた












思っているよりもスピードのあったうさぎのジェットコースターで



ひとつの山を越えた私



もうこうなったらヤケクソだ!



なんでも乗ってやる!



太郎「今度あれにしよー」



みお「いえ!次はこれですよ!」



太郎「だめだめ。俺のが先ー」



みお「ずるい!レディーファーストですよ!」



太郎「・・・レディ?」



みお「あ!ひどい!」



太郎「あはは!じゃ行こー」



みお「待ってください!」










それから私は清水さんと色んなものに乗った



ほとんどが小さい子向けの乗り物ばかりで



周りの視線がちょっと痛かったけど



自分でもびっくりするぐらい楽しんだ



遊園地って・・・こんなに楽しいんだな








みお「あ・・・」



太郎「?」



ぼんやりと観覧車を眺めた



よく雑誌やテレビで載ってるやつだ



眺めが綺麗なんだろうなぁ・・・







太郎「あれ乗ろっか」



みお「え?」



太郎「観覧車。行こー」






何も言ってないのに



清水さんは私を観覧車に連れて行ってくれた



どうして乗りたいって分かったんだろう?



やっぱり不思議な人だ



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