不器用なぼくら
廉「そいつ俺のツレなんだけど」



男1「何だよ。彼女かよ」



廉「だったら何だっていうの」



男2「うるせーな。お前が1人にしとくからいけねーんだろ?」



1人の男が胸ぐらを掴んできた



仕方ないな 俺、手出すのあんまり好きじゃないんだけど・・・














みお「やめてーーーー!!!」










信じられないくらい大きな声が聞こえた


その声を聞いて周りの人が俺たちを見た



気付いたら殴りかかろうとしてる男の腕をアイツはぐいぐい掴んでいた



みお「やだ!上中さん殴らないで!!2人なんて卑怯だ!」



男1「おまっ・・・うるせーよ!!」



みお「上中さんなぐったら店長呼ぶから!!でも私が殴ってやるー!!」



男2「おいやべーよ!行こうぜ!」



周りの視線を気にしたのか男は走って逃げていった



俺は乱れた服をぱぱっと直してアイツの前にいった










廉「すげー声だったね」



みお「・・・・・・」



廉「普通、女の子はおとなしく助けられるはずなんだけど」



みお「・・・・・・」



廉「まぁ・・・無事でよかった」







その瞬間 何かが切れた様に急に声を上げて泣き出した



みお「うぅ・・・ごわ・・・ごわがっだよ~!!」



廉「・・・・・・」



この1ヶ月


意地張った姿しか見たことがなくて



こんなにも素直に感情をむき出しにしてるのが



なんだかおかしく思えた



廉「ちょっと。泣きすぎなんだけど」



みお「・・・とう・・・」



廉「ん?」



みお「助げてっぐれで・・・ありがどう・・・」



廉「・・・え」



みお「ごめんなざい・・・っ!ううー!!」




本当 コイツって 何か・・・



顔がとにかくひどいから袖の部分で涙をぐいっと拭いてやった



廉「いいから、とりあえず戻ろ」



みお「・・・っ・・・ひっく」



チラッと顔を見ると



涙で目が真っ赤になってて



鼻も赤くなって 



鼻水も垂れてて



なんか分かんないけど俺の袖にもコイツの液体付いちゃって



本当に女なのかよって思ったけど



なんでかな



あんまりにもコイツがそのまんまだから



ちょっとだけ思ったんだよね



“可愛い”って




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