不器用なぼくら
さえ「じゃとりあえず説明するね」



みお「はい」






1階に移動した私達


今日はカフェの仕事を覚える事になった



さえ「基本は早番と遅番で分担してるんだけど、忙しい時期は通しもやってるの」



みお「通し?」



さえ「朝から夜までって事。あ!ちゃんと2〜3時間は中休憩あるから心配しなくて大丈夫っ」



何だ びっくりした



さえ「カフェと雑貨両方とも開店作業するから覚えてね」



みお「分かりました」



さえ「じゃまずモップで床掃除してからイスとテーブル拭いておいてー」







黙々と床を掃除していると


頭の方から声がした






「もーちょっと水、きった方がいいよ」






みお「え…?」



見上げるとそこに立ってたのは


黒髪で落ち着いた雰囲気の男の人





さっきスタッフルームに来た2人の内の1人




「床。滑るからもう少し水きった方がいいよ?」



みお「あ、す、すみません!」



「いいよ、覚えれば」



みお「ありがとうございます!あの…お名前…」









「岡田シュン。よろしくね」







ちょっとだけ ドキッとした








みお「さえちゃん、終わりました」



さえ「よーし。とりあえずOK!あとはレジのお金をスタッフルームの金庫から取ってくるんだけど、基本的に私達がやるからとりあえず大丈夫かな」



みお「じゃもうすぐ開店?」



さえ「うん!とりあえず笑顔でいこー」






ついに開店…


よし、頑張らなきゃ








さえ「みお、表に看板出してきて」



みお「はい!」



さえちゃんに看板をもらってお店を出た


こんな感じ…かな?


なんとなく雰囲気で看板を置いてみた









「あは!それじゃ誰も来ないよー」








声をする方を見ると


両手に買い物袋を持った男の人


さっき岡田さんと来た人だ



みお「あ…本当だ。Closeになってました!すみません!」



「田中さん天然なんだね!気をつけなきゃだめだよー!って名前言ってなかったな俺。俺も天然かもー!」



みお「……」



この人だけ


テンションが異様に高い


変わった人だなぁ









「田中幸宏!みんなからは"ユキ"って呼ばれてる22歳の健全男子だよ!」



みお「田中…?」



幸宏「へへ、同じ名字なんだよ。びっくり!」



みお「名字だけじゃないです…年齢も一緒だ…」



幸宏「マジで!?これもきっと何かの縁だ!よろしくね田中さん!」



みお「よろしくお願いします」







田中くん 笑顔の眩しい人だった







午前9時

お店が開店した
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