不器用なぼくら
廉「あのさ」



みお「?」



廉「助けに来てやったんだからご褒美ちょーだいよ」



みお「ご・・・ご褒美?」



廉「俺の事“上中さん”じゃなくて“廉”って呼んでよ」



みお「・・・」



廉「んで俺も“みお”って呼ぶ。いいでしょ?」



コイツ、もとい“みお”は不思議そうな顔をしながら頷いた



廉「みお。俺の名前は?」



みお「れ、廉くん・・・」



廉「あ。“君”いらない。呼び捨てでいいから」



みお「廉」



廉「ん。おっけ」
















上中さん・・・もとい“廉”に助けてもらって



何だか見たことない一面を見た気がした



思ってるよりも優しいみたい



確かに口が悪いんだけど それでも



優しい人・・・かな?



なりゆきで呼び捨てに呼び合う事になったけど



まぁ・・・いっか



っていうか



泣き顔見られた!! 恥ずかしい!





















それから俺らは皆の所に戻った



さっきあった話をしたら皆は大爆笑で



長老は申し訳なさそうに“ごめんね”って言ってた



まぁとりあえず一件落着かな







太郎「ねーハニー」



廉「ん?何ダーリン」



太郎「田中さん。無事でよかったね」



廉「あぁ。そうだね」



太郎「俺分かってたよ?」



廉「何が?」



チラッと長老を見るとにこにこ笑ってた



太郎「トイレって言ったけど田中さん所行ったんだろうなって」



廉「・・・・・・」



太郎「心配だったんでしょ?言い過ぎちゃったし」



何でだろうな



どうしてこの人は何も言わなくても分かっちゃうんだろう



本当 不思議な人だ








廉「ねぇ、長老」



太郎「ん?なーに?」



廉「俺さ・・・・・・ごめ、何でもない」



太郎「お?何?何の話?え?」



廉「ううん。何でもないよ」
















少しづつだけど



俺の気持ちが動き始めたのが



確かこの日だったんだ



もう絶対にないと思ってたのに



始まろうとしてたんだ








< 30 / 67 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop