不器用なぼくら
ユキちゃんを先頭にお店に向かって歩き出した私達



みお「どんなお店なんだろう?すごく楽しみ!」



幸宏「俺らがいつも行く居酒屋なんだけどね!」



シュン「安くてうまいんだよ。あー・・・ビール飲みてぇ」



廉「俺も酒飲みたい」



幸宏「あとちょっとだよ!皆頑張れ!」











なんだかわくわくした



こうして大勢でご飯を食べる事が久しぶりだったから



それから数分経った頃、目的のお店が見えてきた



小さくて古ぼけたお店 



でも外にあるのれんと提灯がいい味を出してた













ガララララ












大将「へいらっしゃーい!」



幸宏「大将こんばんは!いつもの席空いてるー?」



大将「おぉ!一番奥だな!・・・お?そこのべっぴんさんは?」



廉「ウチの新人だよ。“みお”っつーの」



みお「初めまして。田中みおです!」




勢いよくお辞儀をすると大将さんは声を上げて笑った



大将「がははは!可愛いじゃねーか!」



廉「いや、可愛くはないから」



みお「ちょっと!失礼なんですけど!」



シュン「はいはい、喧嘩は後にして早く席に行こー」



幸宏「早く!早く!」










ユキちゃんの案内で奥の座敷に向かった



ユキちゃんいわく、いつもここの席で騒いでるらしい



ユキちゃんとシュン君が座り、向かいに私と廉が座った



すると座敷のふすまを開けて女の人が入ってきた



お盆にお水やおしぼりを乗せてる



「いらっしゃい!久しぶりだね」



幸宏「久しぶりー由美ちゃん元気だった?」



「うん。元気だよ!ユキは相変わらずだね(笑)」



シュン「由美ちゃんも変わらず忙しいね」



「そうかな?お店の手伝いしてるだけだけどね!」



皆と親しげに話しているお店の人



何だかモデルさんみたいに綺麗な人



“由美ちゃん”って言ってたなぁ・・・



廉「とりあえずビール4つ。あ、みお酒飲める?」



みお「あ・・・うん。大丈夫」



由美「はい。廉久しぶりじゃん。元気にしてた?」



廉「あー・・・まぁ。てか、ビール」



由美「もう。人使いが荒いなぁ(笑)」



注文を確認して“由美ちゃん”って人は座敷から出て行った














みお「あの・・・さっきの綺麗なモデルさんは・・・」



シュン「ここの大将の娘さんだよ。“由美”って言うの。俺らよく来るからもう顔なじみって感じで」



幸宏「あんな感じだからサバサバしててさ。楽なんだよね~」



みお「そうなんだ」









当たり前なんだけど 分かってる事なんだけど



皆と関わってまだ1ヶ月くらいしか経ってない為に



知らない事ばかりだ




ちょっとだけ・・・寂しいな



なんて思ってみた















由美「ビール4つお待ちどうさまー」



幸宏「おぉーきたきた!まず俺らだけで乾杯しとこーよ!」



シュン「そうだな」



幸宏「えーでわ!ごほん!みおの歓迎を祝して!」




「「「「かんぱいーい」」」」」



ジョッキのカチンって音が部屋に響いた



皆が喉を鳴らしてビールを流していく



幸宏「っぱぁ!!マジうまい!ビールうまい!」



シュン「仕事終わりのビールって最高だよな!」



廉「マジでうまい・・・俺今日ヤバいかも」



幸宏「おぃおぃ~!廉ってば今日調子いいじゃん!」



廉「うるせーよ」



皆ぐいぐい飲んでくなぁ



私そんなにお酒強くないんだけど・・・



控え目に1口飲んでみる




みお「わぁ!ビールおいしい!」



廉「何いきなりテンション上がってんだよ!」



幸宏「いーねいーね!!ガンガン飲もうよー!」



シュン「やべー!俺マジで止まんないかも!」










さえ「やっほーってもう飲んでるし!」



そこに今日休みだったさえちゃんが到着した



幸宏「さえちゃん遅い~!ほら飲むわよ!」



シュン「お前誰なんだよ!(笑)」



それから焼き鳥や枝豆、サラダを注文して



ちびちび食べながらガブガブ飲んで



私達は遅番組を待った



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