不器用なぼくら
なんか空が変な色してんな・・・



明日天気悪いのかな



あ。っていうか夜ご飯ねーや



・・・まぁいっか。コンビニで済ませちゃお



帰り道にあるコンビニで今日の夕飯を買った



カップラーメンとおにぎり



こんなんばっか食ってたら体壊れるかも



気をつけなきゃ俺



アパートに着いて家の玄関を開けた











太郎「ただいまぁ~・・・」



返事がない暗い部屋にももう慣れた



1人暮らしをしてからもう2年



別に1人暮らしをしようと思ってたわけじゃないんだけど



もともと、何かを作ったりする事が好きで



最初はこまごましたもの作ってたんだけど



材料とか道具で部屋が溢れちゃって



どーしよっかなーって考えて



じゃ、どっかに部屋借りればいいじゃん!ってなって



ここを借りたのが始まり



そしたらやっぱり作ることに没頭しちゃって



家になかなか帰らなくなったから



母ちゃん達が“そっち暮らせば?”って



なるほどなって思って今に至る



太郎「風呂沸かしながら飯食おうかな~」



独り言もすげぇ増えた



洗濯物もよく溜まるようになったし



部屋もなかなか片付かない



でも部屋自体は広くて でもボロくて



そんでいいの



これが俺のお城だから



さて 今日は買い出しで疲れたから



早めに寝ようかな

























翌朝



風が窓を揺らす音で目が覚めた



太郎「・・・ん」



あれ 今何時なんだ?



少し離れたテーブルの上の時計を見た



9時・・・10分



俺って今日早番だったっけ



ん~・・・忘れちった・・・






~~~~♪



ケータイが鳴った



どうやら電話みたい



俺のケータイで電話が鳴るなんてほとんどないんだけど



太郎「・・・ん・・・もしもしー」



廉『あ、おはよ。今何してる?』



太郎「あ・・・廉かぁ。おはよー・・・俺今起きちった」



廉『今さダーリンの家の前いるんだわ。開けてくんない?』



ん? 家の前?



頭が覚醒した俺はケータイを持ったまま玄関を開けた



するとずぶ濡れになってる廉がいた



廉「おはよ」



太郎「お・・・おはよ。どーしたんだよ」



廉「別に。あ、さっき山さんから連絡あったんだよ」



太郎「ん?何て?」



廉「今日午後から台風接近するみたいでさ、店は休みにするって」



太郎「そうなんだ・・・って!廉ずぶ濡れじゃん!お前とりあえず入れよっ」



廉「あぁ。悪いね」



太郎「えーとえーと・・・これ!これで体拭けよ!服俺のだけどいーい!?」



廉「うん。よかったらシャワーも借りたい」



太郎「おうおう!勝手に使って!」



廉は笑って風呂場に向かった



散らかった部屋の棚にしまってあるキレイめの服を準備して



廉がシャワーから戻ってくるのを待った



太郎「・・・・・・」



廉が俺の家に来ることは本当に珍しい



会うのは大体外が多いから



あんまりいい状態じゃないのかな



心配だったけど廉と話さないと何も分かんないから



とりあえずあったかいコーヒーを準備しながら



自分を落ち着けていた

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