不器用なぼくら



台風が過ぎ去ったのか外は静かだった



廉「外もう大丈夫そうだね。俺帰るわ」



太郎「そっか。1人で帰れる?」



廉「どんなけ心配すんの。俺の彼氏かよ」



太郎「廉がなれって言うなら彼氏にでも彼女にでもなるけど」



廉「冗談に聞こえませんけど(笑)」



太郎「俺も言ってて怖かった(笑)」



あぁよかった



廉 普通に笑えてる



玄関で靴を履きながら廉は俺に向かって言った



廉「長老・・・俺 変わりたい」



太郎「うん」



廉「ちゃんと自分受け止めるから・・・俺の事見てて」



太郎「うん。でも無理はだめだよ。すぐに色んな事変えようとしないでね」



廉「分かってるよ。じゃおやすみ」



太郎「おやすみ」















ガチャン














その日の夜



俺は夢を見た



みんなで笑ってんだ



山さんも 廉も ユキちゃんも



薫君も シュン君も さえちゃんも



そして みおも



あぁ そっか



俺はみんなの笑ってる顔が好きなんだ



みんなで・・・なりたいね



幸せに






















翌朝



kagayakiは昨日休みだったのもあって割と混んでた



っつっても俺は雑貨だからそんな事ないんだけどね



シュン「いらっしゃいませ」



薫「さえちゃん、これ1番テーブル」



山さん「おい、薫!こっち準備しとけよ」



薫「はい」



みお「オーダー入りました!コーヒーと紅茶各1つ」



うんうん 皆頑張って



俺は品出し頑張る



廉「ダーリン」



太郎「ん?何ー?」



廉「これ新しい商品の一覧。実はあんまり人気ないみたいで売上ないっぽいんだけど」



太郎「んー・・・俺的に変わり種よりはスタンダードなアイテムの方が好まれやすそうな気がするんだけどなぁ」



廉「じゃ、どれか試しに商品下げとく?」



太郎「でもそれだと代わり映えしないもんね。とりあえずあとちょっとだけ出しとこっかぁ」



廉「ん。了解」



売上あんまないかぁ・・・どうしたらいいかな



ぼんやり売り場を眺めていると廉がわざとぶつかってきた




太郎「あてっ。何だよ~何すんだよ~」



廉「何かいつもより頼もしいんだけど」



太郎「はぁ?俺はいつも頼もしいだろーが!」



廉「そうかな?いつもだらけてるっしょ」



太郎「何て失礼な奴だ!もぅ家来んな!」



廉「また行ってやるから」



太郎「・・・・・・」



廉「・・・・・・」



「「・・・はははっ!!」」














本当 本当に不器用な奴



仕事だとそんな事微塵も感じさせないけど



これが廉だもんね



俺はそれを受け止めていこう



だってそうでしょ



俺が思うに“長老”って



そーゆー事でしょ!



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