不器用なぼくら

好きな人

あぁー 今日は暇



本当に暇だー!



それは何故か知ってる



だって季節は6月に入ろうとしている



世間で言う“梅雨”ってやつだ



雨降ってるのにわざわざ出かける人なんていないもんね



何もする事ねーや



幸宏「はぁー・・・」



みお「ユキちゃん。すごい溜め息だね」



幸宏「だって暇じゃん!俺暇ってすげー苦手だよ!」



みお「そうだよね。暇って何していいか分からないもんね」



幸宏「何かこー・・・え!?って事起きないかな?」



みお「分かんないよそれ(笑)」



みおとおしゃべりしてると2階から廉が降りてきた



あーあー 相変わらずイケてるね君は



廉「ユキ。休憩行っていいよ」



幸宏「やったー!じゃ俺休憩行っちゃいまーす!」



廉「はいはい」



みお「いってらっしゃーい」















前よりもみおが俺らと仲良くなれてきた



やっぱりさ バイトしてる仲間だもん



皆で楽しくやってきたいもんね!



そんな事思いながらスタッフルームに入った



ケータイを開いてみる



“新着メール なし”



幸宏「・・・ふぅ」



いや 分かってるんだよね



俺には高嶺の花みたいな存在だし?



俺なんかよりもいい奴きっと周りにいるから



でも 好きなんだ



すげー好きなんだ



由美ちゃんの事



きっかけはホント単純な事でさ



初めてあの居酒屋行った時



俺の歓迎会ですげー盛り上がっててみんなで酒とかも飲んでて



俺かなり出来上がってたみたいなんだよね



んで案の定つぶれてて



それを介抱してくれたのが由美ちゃん



少女漫画みたいな展開だけど 



俺もやっぱり単純だから



スコーンって落っちゃった



それからずーっと密かな片思いしてる



いや でもね



俺は俺なりに結構頑張ってるつもりなんだよね



メールとか勇気だして送ってみたり



どっか行ったらお土産とか買って渡したり



居酒屋行く時は真っ先に俺があいさつしたり



んー・・・ いつか言わなきゃなって思うんだけど



まだね ないのよ勇気が!!



俺チキンだし!!自信ないから!!



そんな女々しい悩みを抱えながら過ごしてるんだよ俺は



はぁ・・・こんな暇なら会いに行きたいくらいだよ



ぼんやりイスに座っていると長老が入ってきた



太郎「あ、ねぇユキちゃん。今って休憩中だよね?」



幸宏「そうだけど・・・どーしたの?」



太郎「いや、山さんがちょっと買い出しお願いしたいんだって」



何!? 買い出し!?



もしかしたら商店街とかで由美ちゃんに会えるかも!!



幸宏「行く行く!!行くよ俺!!」



太郎「???」



幸宏「何買ってこればいいんだろ!?」



太郎「あ、欲しいものリストは山さんが1階でお金と渡すって」



幸宏「おっけ!!いってきまーす!!!!」



俺は勢いよくスタッフルームを飛び出して山さんの所に向かった



あぁ・・・俺ついてる!!

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