不器用なぼくら
廉の話
小さい頃
物心ついた時には両親はいなかった
家にはじいちゃんとばあちゃんだけで
いわゆる“父さん”“母さん”は存在しなかった
俺が小さい時に事故にあって他界したらしい
それからは母さんのじいじゃんばあちゃんに世話になってた
いつも俺を可愛がってくれた
ばあちゃんの作る飯はすげーうまかった
じいちゃんが教えてくれたキャッチボールはすげー楽しかった
でも時々周りの奴らがバカにした
弁当に煮物や野菜が多くて肉がほとんど入ってなかった事
授業参観で若い母親ばかりの中にばあちゃんがいた事
運動会での親参加の競技でじいちゃんばあちゃんがドべだった事
冬 寒くてじいちゃんがくれた腹巻をしていた事
何度も何度も喧嘩した
喧嘩の傷を作って帰る度
じいちゃんは俺を男だって褒めてくれた
ばあちゃんは俺の傷をいつも消毒してくれた
父さん母さんがいなくても俺は幸せだった
たくさん愛してくれたから
高校3年を迎えた時
進路をどうするか考える時期に
俺は何をしたいのか自分で分からなくて
いつまでたっても勉強も就活もしなかった
そんな俺をじいちゃんばあちゃんは何も言わなかった
“あぁ、さすがに俺に呆れたんだな”って思った
ちょうど中学入ってから 俺も年頃だったのかな
今まで当たり前だった事が恥ずかしくなってきてた
ばあちゃんが作ってくれた弁当を持っていかなくなった
授業参観の日にちを教えなくなった
体育祭はサボるようになった
誰もしてなかったから腹巻もしなくなった
そんな俺を嫌いになられるのが怖くて
俺は自ら2人から距離を取るように生活した
物心ついた時には両親はいなかった
家にはじいちゃんとばあちゃんだけで
いわゆる“父さん”“母さん”は存在しなかった
俺が小さい時に事故にあって他界したらしい
それからは母さんのじいじゃんばあちゃんに世話になってた
いつも俺を可愛がってくれた
ばあちゃんの作る飯はすげーうまかった
じいちゃんが教えてくれたキャッチボールはすげー楽しかった
でも時々周りの奴らがバカにした
弁当に煮物や野菜が多くて肉がほとんど入ってなかった事
授業参観で若い母親ばかりの中にばあちゃんがいた事
運動会での親参加の競技でじいちゃんばあちゃんがドべだった事
冬 寒くてじいちゃんがくれた腹巻をしていた事
何度も何度も喧嘩した
喧嘩の傷を作って帰る度
じいちゃんは俺を男だって褒めてくれた
ばあちゃんは俺の傷をいつも消毒してくれた
父さん母さんがいなくても俺は幸せだった
たくさん愛してくれたから
高校3年を迎えた時
進路をどうするか考える時期に
俺は何をしたいのか自分で分からなくて
いつまでたっても勉強も就活もしなかった
そんな俺をじいちゃんばあちゃんは何も言わなかった
“あぁ、さすがに俺に呆れたんだな”って思った
ちょうど中学入ってから 俺も年頃だったのかな
今まで当たり前だった事が恥ずかしくなってきてた
ばあちゃんが作ってくれた弁当を持っていかなくなった
授業参観の日にちを教えなくなった
体育祭はサボるようになった
誰もしてなかったから腹巻もしなくなった
そんな俺を嫌いになられるのが怖くて
俺は自ら2人から距離を取るように生活した