不器用なぼくら
俺はそのまま家に帰った




こんな気持ちじゃだめだ




明日はばあちゃんを楽しませる日なんだ





俺がしっかりしないと





廉「あれ・・・?」





先に寝てるはずなのに部屋の電気がついていた





まだ準備してんのかな





ガララララ





廉「ただいま、ばあちゃん?」





応答がない




おかしいな 聞こえてないのか?





電気のついてる居間に向かった





そこには寝転んでるばあちゃんがいた





準備して疲れちゃったのか?





廉「ばあちゃん、こんな所で寝てると風邪ひくよ」





体を揺すっても起きない




あれ 何かおかしい





廉「・・・ばあちゃん」




ゆっくりばあちゃんの顔を見た




















頭から 血が出てる



















廉「ばあちゃん!しっかりしろよ!ばあちゃん!」




よく見ると頭から流れる血が水たまりみたいになっていた




急いで救急に電話をした




廉「もしもし!家で祖母が血流して倒れてて・・・!!」




それからの記憶は ない



































ばあちゃんは俺が早く帰ってこないのを見込んでたのか




旅行の準備をすべてしてくれようとしてたみたいだ




ちゃぶ台にはおにぎりとお茶が置いてあって




床には着替えやら何やら置いてあった




ばあちゃんは棚の上にあるバックを取ろうとしてたみたいで




棚の前にイスが置いてあった




病院の先生の話ではイスから落ちてちゃぶ台で頭を打ち




そこから出血したとの事だった


















ばあちゃんは




二度と目を覚まさなかった





























ばあちゃん 




バック俺が取ってやればよかった




本当にごめん




温泉連れてってやれなくてごめん




本当にごめん






















葬式には近所の人から知り合い、会社の人まで来てくれた




廉「あ・・・社長」




社長「残念だったな・・・大丈夫か?」




廉「・・・はい」




社長「無理はするなよ。ちょっと休むんだ」




廉「いえ・・・大丈夫です」




社長「数日会社自体を休業しようと思ってるんだ。だから休みなさい」




廉「え・・・どうして・・・」





社長「いや・・・実はな・・・



































サキ君が事故にあって 亡くなったんだ






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