不器用なぼくら
太郎「へへ。やっぱりへばってた」



みお「太郎くん・・・」



そこにはいつもの優しい笑顔があった



何で? どうして太郎くんここにいるの?



太郎「さ、行こっか」



みお「あ!あのっ・・・太郎くん。廉・・・」



太郎「廉から電話もらった。話は聞いてるから大丈夫だよ」



みお「あ・・・そうなんだ」



太郎「廉の背中押したみたいだね」



みお「え?」



太郎「廉、きちんと話してくるって言ってたから」



みお「・・・」



廉は一体由美さんに何を話すんだろう



サキさんの事?



自分の事?



でもそれは廉が決める事であって



私が踏み込むべきではない事だと知ってる




一体何がしたいんだろう




最近、自分で自分が分からない




太郎「みおも悩み多きお年頃?」



みお「?」



太郎「顔」



みお「顔?」












太郎「切ない顔してる」













いつも何かある度に



周りに迷惑をかけたくなくて



自分の気持ちを隠す“くせ”をつけてた私



自慢ではないけどその“くせ”には自信があって



気付く人はいなかった



でも どうしてだろう



太郎くんはいっつも気付く



廉と喧嘩した時



廉の様子がおかしかった時



今の私



この人は人の黒い部分に



いとも簡単に入ってくる



太郎くん 私ね



多分 きっと 廉の事―――・・・・・・
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