不器用なぼくら
二階に上がってスタッフルームに向かって歩いていると、レジから田中君がひょっこり顔を出した



幸宏「あ!休憩?」



みお「うん」



幸宏「疲れてない?大丈夫?」



みお「お客さんたくさんだったけど・・・上中さんが上手に回してくれたから・・・」



幸宏「あぁ。廉ね!俺も廉にいっつも助けてもらってんだよね!」



みお「そうなんだ?」



幸宏「廉はさ、あんな雰囲気だしちょっと怖そうじゃん?でもその中にはちゃんと優しさがあると俺は思うんだよね~!」



みお「そうかな?私は・・・イラつきしか感じない」



幸宏「きっと田中さんも廉のよさがきっと分かるよ!最初はすげー厳しいけど。頑張ってね!」












優しい? 上中さんが?



――――モタモタしないでよね――――


はっ 



ありえない ありえない!



それって私以外じゃん!



待って・・・むしろ女としても見られてないじゃない?



間違いない



私は上中さんに嫌われてる















休憩を終えた私はフロアに戻った



廉「遅い。いつまで休憩してんの」



みお「え!私ちゃんと時間守ってますよ!」



廉「2分過ぎてるけど」



みお「・・・~っ!す、すみませんでした!」



廉「まぁいいけど。じゃ、俺休憩いくから」



みお「え?私1人でフロアですか?」



廉「大丈夫。すぐにシュン君来るから」



何だ・・・ なんだかんだで気にかけてくれてるのかな?



私のこと



廉「あ。あのさ」



みお「はい!」
















廉「前歯に青海苔ついてるけど」
















みお「!!!!」



まさか・・・さっき食べたおにぎりの!?



は・・・恥ずかしい!!



急いでフロアの鏡を見た



―――――え














私の歯 白くて綺麗ですけど











廉「うそー」



上中さんは意地悪そうな顔をしながらスタッフルームに向かっていった



前言撤回



上中さん・・・むかつく!!



あぁーむかつく!!







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