青い蝶々
「まずは、俺の秘密からだ」
と言ったかと思うと…椅子から立ち上がった。
そして私は、次の出来事を喰い入るように見つめた。
神保 蓮がオオカミの姿に変わったからだ…。
今日見た夢のように、真っ黒なオオカミで蒼瞳をしている。
「驚いたか?」
オオカミがそう聞いてきたが、私は答えられないままジッとその光景を見つめていた。
「鈴音?
俺は昔から代々続く人狼だ」
その声色からは懐かしいような感じがした。
「そしてお前は……
昔から代々続く人狼の血を引く物だ」
あぁ、思い出した。
蓮は私の婚約者だったんだ……。
そう思いながら、私は深い闇の中に吸い込まれた。