雲がキレイだから
「気を取り直して
また新しい人生が歩めるわ。」

と、車を運転している母は
ため息をついて明るい声でそう言った。


私は
母が言った一言に
聞こえなかったふりをするように目を閉じた。




車が静かにとまった。



「ゆきの、着いたわよ。」


私には新しい人生なんて

あるのかな?
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