永遠の夏休み
「開かない....」
鍵は閉まっていないのに開かない。そんな扉を前に涼華は無言で立ち尽くす。

「涼華がウソつくなんて、明日は槍でも降るかもな。」
「...................」
冗談を言っても涼華は黙ったまま。さすがの椿も少し心配になりドアに駆け寄った。

「............え?」
「ね、開かないよね?」
本当に開かない。どうすればいいのか、椿には分からなくて混乱した。

「ねぇ、先生。ケータイ見て。」

涼華の一言で一筋の希望が差した。
そうだ、電話すればいいんだ。警察に。
そう思い、椿もケータイを開く。

「........」

Tの横に3本のたて線がいつも表示されてるところには 「圏外」 の2文字が。

「もしかして涼華、お前も圏外か?」
「うん」

淡い希望も砕け散った。
どうすればいいのだろうか...
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