泣いていたのは、僕だった。
「ちょっと貸してね。」
「は?何すんだよ?」
「ん?真司に電話。」
静は素早く携帯を操作すると、耳に押し当てた。
「おい、まずいんじゃねーのか?皆保って奴も真司には知らせたくねーみたいだったし。」
「大丈夫ですよ。朝まで起きませんから。」
と創が言った横で、
「あ、もしもし?真司?」
電話に応答があったようだった。
「……創、朝まで起きないんじゃなかったのか?」
「……そのはずなんですけどね。」