泣いていたのは、僕だった。
side翔一
―翔一side―
静は電話を切ると、俺の携帯をへし折った。
「今、アイツどんな顔してるかな?」
想い馳せた顔をして静は呟く。
「なんかさ、お前勘違いしてね?」
「勘違い?」
「真司は俺達のこと大切なんて思ってねーよ。」
「それはどうだろうね。」
静は笑って部屋を出ていった。
「隆、実際の所真司は来ると思いますか?」
「大切かどうかは別にして、まぁ来るだろうな。」
「…そうでしょうね。」
創と隆の会話に首を傾げた。
「なんで?」
「お前が居るからだろ。」
「俺?」
「アイツ自分のもの奪われるの嫌がるタイプだろうし。お前、真司の所有物なんだろ?絶対奪い返しに来る。」
隆は呆れたように溜息をついた。
「けど……自分の命懸けてまで来るかな?」
「忘れたんですか?真司は翔一、アナタを命懸けで守ってくれたじゃないですか。」
「……………」
本当に真司が来るとしたら、俺はまた守られるって事か……。