泣いていたのは、僕だった。
side隆
―隆side―
数分して翔一が真司を連れて部屋から出てきた。
そして俺は衝撃を受ける。
それはもう今世紀最大の衝撃だ。
創も同じようで、俺同様固まっている。
視線の先は真司の顔だった。
視線に気付いた真司は、
「そんなに見ないでよ。」
と顔を逸らした。
心なしか顔が赤いのは気のせいか?
何が衝撃的だったかって?
そりゃあれだ。
お前、どう考えても泣きましたって顔してる真司が目の前にいたからだ。
だってあの真司だぜ?
衝撃的すぎて開いた口塞がんねーよ。
「お前、その顔………」
「…………なに?」
目を逸らしたまま不機嫌MAXだな。
「傑作じゃないですか。」
創は笑った。
声をあげて、笑った。
俺も釣られて笑った。