泣いていたのは、僕だった。



「だから僕は母さんを殺したんだ。この手で」



一通り話し終えて、僕は一息ついた。


黙って話を聞いていた三人に笑って問い掛けた。



「軽蔑する?」



最初に答えたのは隆くんで、



「とんだマザコン野郎だな。」


と笑った。



「僕が?静が?」
「どっちもだ。」


創くんも呆れたように笑った。



「翔一は?」
「……俺は、親が大切とかよく分かんねーけど、でも真司は間違ってないんじゃね?」


その返答には少々面食らった。


「少なくとも俺は、お前も被害者だと思うから。」



被害者……。


その言葉は予想以上に胸にくるモノだった。



「それよりさ、」



翔一は目を輝かせ、僕に詰め寄った。



「真司っていくつ?」
「……………え?」
「だから歳、いくつなんだよ?」
「………歳?」



脈絡のない質問に、僕は首を傾げた。



「前聞きそびれたからさ。もしかして三十路手前?隆と創はどう思う?」
「案外ガキだったりしてな。翔一と同い年ぐらいか?」


創くんは翔一の意見だと言った。



僕は呆けてその会話を聞いていた。



「で、いくつなんだよ?」
「………22」
「マジ!?隆と創より年下じゃん!」



翔一は大げさなリアクションをする。




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