泣いていたのは、僕だった。

side翔一



―翔一side―




今日は創の提案で、みんなでゲーム大会。


一回戦は俺と真司。


勝敗はもちろん…


「あ…」
「やりー!俺の勝ち!!」


俺の圧勝だった。



「やっぱ真司、激弱じゃん。」
「……ちょっと調子が悪かっただけだよ。」



続いては隆と創。


隆も健闘したけど、勝ったのは創だった。



んで、最後は俺と創。



「とうとうきたな……」
「翔一だからって手加減しませんよ。」
「上等!!」



戦いの火蓋は切って落とされた……ぐらいの勢いで、俺と創のゲームが開始。



結果、



「あああああ!悔しいぃぃ!!」


俺の惨敗。


創、想像以上に強いし。

むっかつく……。



「翔一もまだまだですね。」
「くっそー…マジ悔しい」



へこむ俺に創は笑って、また相手してあげますよと言った。



「約束だからな!」
「はい。」
「あーあ、でもビリは真司で決て――――あれ?真司と隆は?」



振り返った先に二人の姿がなかった。



「さっきベランダに行ったみたいですよ。煙草じゃないですかね。」



呆れたように言う創に、俺も肩を竦めた。



「本っ当、健康に悪いよな。」
「全くです。……翔一、」
「ん?」


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