泣いていたのは、僕だった。
少ししてから翔一が起きてくる。
「ふぁ~……はよー」
「おはよう。」
「俺もコーヒー飲も」
コーヒーをマグカップに注いで、僕の隣に腰を降ろす。
「隆はまだ寝てるとして…創は?」
「卵買いに行ったよ。」
「ふーん。早く飯食いたいな。」
テレビをつけて何気なく流れてきたニュースに耳を傾ける。
政治、経済、環境問題……どれもつまらない内容ばかり。
そうこうしてるうちに隆くんも起きてきた。
「……うーっす。」
「おはよう。」
「創の奴はどうした?」
「卵買いに行ってる……って言ってもだいぶ前だけど…」
僕は時計に目をやる。
おかしい……。
創くんが家を出てから三時間以上経っている。
近くのスーパーまで十分あれば着くはずなのに。
……まさか、ね。
「ちょっと見てくるよ。」
「あ?創をか?」
「うん。嫌な予感がするんだ。」
「なんだよ、それ」
眉を寄せる隆くんに僕は肩を竦めた。
「僕にもよく分かんない。」
外に出ると眩しいほどの日光が僕を差した。
目を背けるように、下を向いて歩き出す。
…何もないといいけどね。
そんなことを思いながら、僕は創くんが行ったであろうスーパーへ向かった。