泣いていたのは、僕だった。
走り続けて数十分。
三丁目ってこの辺だよな……。
昼間だというのに人通りが少ない。
どこにいんだよ、創の奴は。
電話をしても一向に繋がらない。
「チッ……」
「あれヤバくない?病院に連絡した方が……」
横切った女子大生の会話が耳に入った。
「あの人酷かったよね。喧嘩ってレベルじゃ」
「――おい!どこだ?」
俺の呼びかけに二人組の女子大生は警戒心を露わにした。
だが俺にはどうでも良いことで、継いで質問を再び投げかけた。
「そいつはどこだって聞いてんだよ!」
「む、向こうの角を曲がった路地裏です……」
怯えた声音の返答に俺は走り出す。