泣いていたのは、僕だった。


「――痛っ」
「何でも自分が悪いと思ってんじゃねーよ。てめーが言ったんだろ。生きろって、俺によ。だったらてめーが、まずは生きろよ。」



確かに僕は以前彼にそう言ったことがある。


でも………



「僕は彼女を――優樹菜を守れなかった。」



――優樹菜……。



『ねぇ、創。私子供がほしいな。そうね、二人。創と私と子供たち、四人で静かに平穏に過ごせていけたら、私は幸せよ。』


そう言っていた。


なのに彼女の些細な幸せをアイツは……

子山は奪った。



「僕は許せない。彼女の幸せを奪っておきながら、のうのうと生きているアイツが。」
「創……」



未だ壁際に座り込んでいる子山を睨む。




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