泣いていたのは、僕だった。
「お前もさ、変なことすんなよ。その守れなかったって奴も、きっとそんな事喜ばないぜ?」
「じゃあどうしろって言うんですか?黙ってアイツが野放しにされてるのを見過ごせっていうですか!?」
「それは…………」
神木は黙った。
僕はやり場のない怒りに、自らの拳を強く握りしめた。
「よーするに、罪を償わせればいいんだよね?」
「…え?」
銃を手にした男が子山に近づいた。
「真司?何するつもりだよ?」
神木も怪訝に彼を見ている。
もちろん隆も。
男は手にしていた銃を子山に投げ渡した。
――!?
「おい!?何でソイツに銃を渡すんだよ!?」
隆がまるで僕達の心の声を代表するように叫んだ。
男は子山に銃を構えさせると、自分の肩に銃口を向けた。
「ここ、しっかり狙って撃ってね。」
「お前…何言ってんだよ!?」
隆が男に駆け寄って肩を掴む。
男は微笑んだ。
「おい、ガキ!てめーも仲間なら止めろよ!!」
「俺は………」
神木は眉間に皺を寄せ、軽くうつむいた。
「僕と翔一は仲間じゃない。」
「なに?」
「仲間なんかじゃないんだよ。ね、翔一?」
神木は否定も肯定もせず、ただジッと男を見据えていた。