泣いていたのは、僕だった。
「はい。しっかり撃ってね。」
「……あ…」
ガタガタと子山は震えていた。
「今まで散々酷いことしてきたんだよね?今更怯えることないんじゃない?」
「…わ、わしは……わしは何も……」
「どーでもいいから早くしてくれる?それともあの人に」
真司は創を指差した。
「殺されたい?」
子山は大きく首を振り、両手で銃を構えた。
そして鳴り響いたのは銃声。
真司の左肩から流れ出る赤い血が子山に、床に飛び散った。
「痛っ………うーん、やっぱ痛いね。」
まるで他人事のように真司は言った。
「お前………」
隆が信じられないという顔をして真司を見ていた。
創も同様に…。
「さて、」
当の本人は暢気な声を出して、動く右手で携帯を取り出した。
「……あ、皆保警部ですか?傷害事件発生したんで、人寄越してください。容疑者も目の前にいるんで。」