泣いていたのは、僕だった。


皆保……ってことは仕事か。



「人使い荒いなぁ。一応怪我人なんだけど…」


とそこまで言って真司が俺を見た。


なんだか…
嫌な予感が……。



「警部、警部。僕、怪我人なんで代理行かせますね。」


相手の返事を待つことなく真司は電話を切った。


「じゃあ、そういうことで。よろしく、隆君」
「は?はぁああ?どうして俺が!?」
「だって僕怪我人だし。翔一」


俺の隣で笑っていた翔一に真司は声をかけた。


「皆保警部が資料持ってるみたいだから警察寄って」
「へ?俺も行くのかよ!?」
「当たり前でしょ」
「やだよ!隆と一緒なんて」
「文句言わない。二人とも居候でしょーが。」
「じゃあ創は!?」


翔一は創を指差す。
待ってましたと言わんばかりに真司は笑った。



「創くんはご飯作ってくれたり、掃除や洗濯もしてくれてる。この家に充分貢献してるでしょ。」
「それは……そうだけど…。だからって何で隆と――」
「はいはい。文句言わないの。」



こりゃ完全に真司のペースだな。



「ちっ……仕方ねーな。行くぞ、ガキ」
「だからガキじゃねぇ!」



喚く翔一と共に俺は部屋を後にした。




「あの二人大丈夫でしょうか?翔一の代わりに僕が行っても良かったんですよ?」
「いーの、いーの。何だかんだで仲良いから、あの二人。心配ないよ。」





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