泣いていたのは、僕だった。
――二年前。
「真司ー!起っきろよ!!」
まだ、冬の寒さが残る3月。
「……千明(チアキ)、まだ朝早いよ。」
「なーに言ってんだよ?今日は朝から仕事だろ!!起ーきーろー!」
「…はいはい。」
須田 千明(スダ チアキ)。
千明は僕の仕事のパートナーだった。
あの日までは――。
元々掃除屋の仕事をしていた千明と僕は、同じ事件を追っていた事をきっかけに出会った。
生まれ育った境遇が似ていたためか、千明とはすぐに打ち解けられた。
何より、居心地が良かった。