泣いていたのは、僕だった。
「真司、朝飯なに食う?」
「いつもので」
朝から千明はテンションが高い。
低血圧の僕には考えられない。
「いつものって…またサプリメントだろ?ちゃんと食えって言ってるだろ?」
「じゃあコーヒー」
「それ飲むって言うんだよ。」
と言いつつ淹れたてのコーヒーがテーブルに置かれる。
「んー…やっぱ朝はコーヒーね。」
一口飲んで煙草を取り出す。
火をつけようとした所で、手から煙草が奪われた。
「真司、最近吸いすぎだ。」
「僕の栄養分。」
「違うもんでとれよ。ちょっとは禁煙しろって」
「そのうちね。」
煙草を奪い返して火をつける。
「まったく……。あ、これ皆保警部から預かった資料。」
茶色い長方形の封筒。
仕事の資料がいつも入れられている封筒。