泣いていたのは、僕だった。
僕は中から資料を取り出し、軽く目を通す。
“麻薬取引団体 高峰グループ”
一番最初に目に入った文字。
「高峰グループか。なんか聞いたことある気がする。」
「そりゃそうだろうな。高峰グループと言やぁ、そっちの世界じゃ有名な団体グループだし」
「ふーん……」
仕事の概略は、この高峰グループのトップを捕まえること。生死は問わない、とだけ書かれていた。
「なんか面倒だなぁ。」
「俺と真司なら楽勝だって。飯食ったら作戦練ろう。」
「楽勝ね……。だといいけど」
第六感なんてものを信じているわけじゃない。
でも何となく、嫌な予感はしていたんだ。